極上の普通 ドホナーニ、フィルハーモニア ブラームス交響曲第2番   

07.06.2012 @royal festival hall

mendelssohn: overture, a midsummer night's dream
beethoven: piano concerto no. 4
brahms: symphony no. 2

andreas haefliger (pf)
christoph von dohnányi / po


この時期は、音楽会も減ってくるから余裕で聴きに行けるねって思ってチケット取ってたんだと思う、ドホナーニさんとフィルハーモニアの音楽会。でも、なんだか毎日のように音楽会があって(バレエのせいだわ)、お疲れ気味で、今日、音楽会さぼろうかと思ったの。でも、聴きに行って良かったぁ〜。チューブで寝たので疲れも少し取れました〜。

と、若者(?)のわたしがこんなにへろへろなのに、ドホナーニさん、80を超えてなお若いなぁ。飛行機で世界中を飛び回って、指揮台には椅子はなし、元気に指揮してました。
メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」の序曲は、いつも序曲で終わらずに全部演奏してくれればいいのにって思っちゃう、好きな曲です。ドホナーニさんの演奏はとおっても軽やかに普通。もう何も特別なことはしないのに、魅力的な音楽。これが出来るのは年の功ですよね〜。自然に音楽になっちゃうんだもの。あっでも同じ世代のマゼールさんは相変わらずいろいろ面白いことやっているけど。フィルハーモニアの音、クリーミーでとってもいいし。同じクリーミーでもロンドン・シンフォニーがイチゴのショートケーキだとすると、フィルハーモニアはもう少し透き通っていて軽く、ババロアみたいな感じ。あっちなみにチューバではなくオフィクレイドを使ってました。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番は大好きな曲です。いきなりピアノが弾き出すのもびっくりだし、第2楽章のピアノとオーケストラの哲学的会話みたいのも大好き。ヘフリガーさんを聴くのは2度目。彼のベートーヴェンはとてもロマンティックで叙情的でした。男性的と女性的というのがあるとすれば(わたしはほのかにあるんじゃないかって思ってます。フェミニストの人からは怒られそうですが)女性的。第2楽章の対話は、男女の会話と捉えちゃう傾向がわたしにあるのだけど、そのせいかもしれないけど彼のピアノからは女性的な香りがしたんです(ちょっと戸惑いました)。そしてその女性は、とっても知的で静かで穏やか。でも確固たる強さがあって包容力もあるんです。だから、第2楽章の男女の対話は、始めっから女性が勝つことが見えている。最初は威勢良く始めた男性(オーケストラ)も、静かに受け止めて冷静に語る女性に膝を折るしかない。最後はなんだかむにゃむにゃと言い訳をする男のような、母親の前の子供のような。この曲、前にグリモーさんとユロフスキさんで、聴いたんですけど、そのときの男のように粗暴な感じではなく、もう少しジェントルマンな感じ。夢見るベートーヴェンでした。

ブラームスの交響曲第2番は、なんと!とても普通!ブラームスの書いた音楽をそっくりそのまま肩の力を抜いて音にした感じ。というふうに聞こえるんだけど、実は細かなところまでとっても丁寧に音作りがしてあって、旋律の歌わせ方とか、伴奏の付け方とか、音色とかもうとってもステキで、こういうすうっと普通に聞こえて、音楽の素晴らしさに説得力を感じさせるところが、老練の指揮者の凄いところですね。ブラームスは緻密に書いてるのに伸びやかに聞こえてくる、ドホナーニさんもとっても綿密に演奏しているのに、決して息苦しくない自然な呼吸。最上のお米のご飯のような、主張しないのに確かにおいしい極上の普通。ブラームスの交響曲第2番は、彼の交響曲の中で一番彼らしくて、素直で、喜びに溢れた曲。おいしいご飯をおかわりしてお腹いっぱい食べたような笑みのこぼれる満足感。ごちそうさまでした。
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by zerbinetta | 2012-06-07 08:47 | フィルハーモニア

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