きゃー速すぎて朝ごはん歌えない ノセダ、ロンドン交響楽団「運命」   

21.06.2012 @barbican hall

wagner: prelude and liebestod from tristan und isolde
berg: three fragments form wozzeck
beethoven: symphony no. 5

angela denoke (sp)
gianandrea noseda / lso


恥を忍んで告白しましょう。今日の指揮者、ノセダさん、わたしずうっと日本関係の人だと思ってました。だって野瀬田さん。ね〜、日本人っぽい名前でしょ。日本人じゃなかったらきっとロシア人?だって、ゲルギーのマリインスキーで主席客演指揮者だったから。でも、なんとイタリア人だったんですね。びっくり。BBCフィルハーモニック(BBCシンフォニーとは別物です)の指揮者をずっとやっていて、今はイタリアのオペラ劇場の指揮者です。プロムスとかで何回かチャンスはあったようだけど聴くのは初めて。さてさて。

始まりは「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死。いきなり始まっていきなり終わっちゃう曲。今日は歌付きで、デノケさんが歌います。彼女、今、ロイヤル・オペラでサロメを歌ってるんですね。合間を縫っての登場。
その演奏なんですが、わたしはちょっと気持ちがそわそわと落ち着かない感じで、この曲には海というか水のイメジがあるんだけど、ちょっとこせこせしてお風呂で溺れちゃった感じに聞こえました。テンポが速いわけではないのだけど、なんだかこうピタリと止まらないうちに次に行っちゃうせわしげな感じ。それは歌が入っても同じでした。オーケストラ主導だからかしら。もう少したっぷり大らかにしても良かったのではないかと思います。

2曲目の「ヴォツェック」からの3つの断章は、ベルク自身がオペラを組曲にした作品です。オペラの上演が難しいとの理由で、指揮者のシェルヘンが作曲者に勧めて書かせたようです。ソプラノ独唱を含む3つの楽章。実際こちらの方がオペラよりも先に演奏されています。
これはもうさっきと打って変わって素晴らしかった!音楽がクリアで、ベルクが書いたミニチュア細工のような精緻な音楽が全てきちんと聞こえてくる演奏。だから曲の緊密な構成まで分かるようで、本当に凄い。それに艶があって(「ヴォツェック」の音楽って、「ルル」と違って艶やかしさに欠けると思っていました)、とげとげとした音楽なのに聴いてて心地良いのです。これは絶対、オペラを聴いてみたいと思いました。

休憩のあとは、ベートーヴェンの交響曲第5番。タイトルには短いし分かりやすいので通り名で「運命」と書きましたが、もちろん、名前は付いてないのです。この有名な始まりのじゃじゃじゃじゃーーん。とたんにびっくりしてしまいました。速い。むちゃ速い。オーケストラが途中で振り落とされるんじゃないかと思うくらいの暴れ馬の疾走。あの「朝ごはんの歌」が早口すぎて歌えないほど。古楽器の演奏で速い演奏もあるけど、それに負けず劣らずというかそれよりも速いくらい。そしてそれは、ピリオド演奏からの解釈じゃなくて疾風怒濤の激しい、嵐の海の小舟みたいに翻弄される運命なんです。それにしてもよくオーケストラ落ちなかったな。さすがロンドン・シンフォニー。
こんなふうに始まったからとってもワクワクしながら聞き始めたんですけど、第2楽章からはなんだか普通の感じに戻って、ちょっと残念。ってわたし、第2楽章をアレグレットくらいでスキップして欲しかったのか。ううむ、じゃあ、ここで対比を付けて、運命の動機が出てくる第3楽章で爆裂テンポに戻るのかって期待しても、肩すかし、第4楽章も堂々としたテンポで。いや〜わたし、何を期待してるんだろ?とても良い演奏ではあったんだけどね。でも第1楽章で瞬間風速50メートルに煽られたから、最後まで煽られていたかったというか、オーケストラ全員が振り落とされてもわたしだけは付いていく〜というか。でも、最後盛り上がって興奮してたからいいか。お客さんもずいぶん盛り上がってたしね。わたしがちょっとへそ曲がりだけど、とはいえ、ちゃんと楽しんでいました〜。
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by zerbinetta | 2012-06-21 06:01 | ロンドン交響楽団

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