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世界に羽ばたけ!るか、日本の音楽   

クラシック音楽、というか現代の作品も含むので芸術音楽という方が良いでしょうか、どなたか適切な言葉を作って(広めて)欲しいものです、の特徴は、ムズカシイ議論は置いておいて(っていいのか?)、時代や場所を超越した音楽と言えるであろうとは思うんです。多分多くの音楽家、作曲家は、音楽が、世界共通の言語であるという風に考えているし、発言もしている。デンマークでしか演奏されない音楽を、世界のクラシック・ファンは、認識しないだろうし、マニアックなクラヲタさんだって、、ノルガルドさんの交響曲大好き♡って言う人はいるかも知れないけど、それがベートーヴェンに匹敵する音楽と論破できる人はいないでしょう。ひっそりと笑みを浮かべながら、オレだけが知ってる感を味わいたいし、同好の士がいたら熱く迸る思いをもって語らうことに無上の喜びを見いだすでしょう(ってわたしの偏見?)。

その通り、日本の音楽は、世界に(ということは、芸術音楽の世界に)どのくらいの位置を占めているのでしょう?わたしは、残念ながら外国で日本人の作品をほとんど聴いたことがないんです。ロンドンにいた4年間の間で聴いたのは、武満さんの作品が2回(札響の来英公演と山田和樹/BBCシンフォニー)、イギリスで活躍する藤倉大さんの作品を1回(小川典子、ブラビンス/フィルハーモニア)、細川俊夫さんの作品を1回(ラトル/ベルリン・フィル)です。これが多いのか少ないのか、分からないんですけど、参考までに、中国人は、タン・ドゥンさんが2回、韓国人はウンスク・チンさんが1回です。もちろん、日本やアジアの国にとって、オーケストラやいわゆるクラシック音楽家のレパートリーになる西洋音楽の歴史は浅いので、すでに膨大な曲が蓄積され、なおかつ、人気のない現代曲の分野でレパートリーに食い込むのは難しいのです。それに、ロンドンですから、もちろんイギリス人の作品(といってもあまりマイナーなのは演奏されませんが)重視だし、あとは例えばオーケストラの指揮者がお国の音楽を持ってきたりします。
ということは、日本人の作品が、特にまだ名を知られていない日本人の作品が、海外で演奏されるためには、それを演奏する日本人が外国で採り上げることが一番の道であるように思います。外国人の指揮者がぱっと採り上げてくれるチャンスはまずないのではないでしょうか。

ということを、佐村河内さんの交響曲をベルリン・フィルでという意見を見てつらつら思いました。現実的には、海外で活動している日本人指揮者に採り上げてもらうのが現実的ではないでしょうか。とはいえ、プログラムの全部がこの1曲で埋まってしまいそうな曲なので、客演では難しいかしら。
もう少し、現実的には、録音を海外で発売するのがいいんじゃないかと思うんです。もちろん、今はアマゾンとかで世界各国のCDは買えるんですけど、でも、日本のは高いのです。一般のファンはお財布固いので(わたしの印象ではアメリカ人もフランス人も中国人もイギリス人もとても堅実です)、それでも買っちゃうマニアな人以外に買ってもらうには、これをクリアしないとって思うのです。日本で、佐村河内さんをマネジメントしている日本コロムビアが海外への販売網を持っているといいのですけど(不確かです。ごめんなさい)。もしくは、アマゾンのようなMP3のダウンロード販売をすると良いんじゃないかしら。日本コロムビアさんがどういう風に考えているかは分からないんですけど。ぜひ、海外でも売って欲しいですね。

佐村河内さんの交響曲が海外でも受け入れられるかについてはわたしは分かりません。でも、これが凄い音楽だと確信しているのならば、その人が力を持っているのなら、海外への宣伝をして欲しいです。音楽の力は、時も場所も越えるもののハズですから。誰も演奏してくれなかったり、誰も聴かなければ音楽は力を持ちえないのだから、音楽に奉仕する人が必要です。そうして、人の手をたくさんわたって、音楽は時間も場所も飛び越えていくんですね。

by zerbinetta | 2013-06-18 22:52 | 随想

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