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嫉妬ではないと思いたい   

今年の秋って、なんだかたくさんのオーケストラの来日ラッシュですね。わたしは、外国のオーケストラを聴くことにあまり興味がないので、どこ吹く風なんだけど、10月11月だけでベルリン、ウィーン、チェコ、パリ、ロイヤル・コンセルトヘボウ、バーミンガム市、ルツェルン、なんか大きな音楽祭をやるみたい。
そして、チケットの値段を見てまたびっくり。いくらどこ吹く風と言っても、これだけ台風が吹けばわたしだって少しは風に当たろうと思ったんだけど、値段を見て吹き飛ばされたわ。正直、クレージー(気違い沙汰って言ってはいけない言葉?)。これだけの値段で売ること、そしてそれでも売れてしまうことが、全く信じられません。ものには適正な価格というのがあると思うんですけど、常軌を逸しすぎてる。千歩譲って一番高い値段のチケットはしょうがないとしましょう。でもね、一番安いチケットでも1万円近くする音楽会があるというのは、誰に音楽会を聴いてもらいたいと考えているんでしょうか。それでも売れるからいい、オレは買うからいい、って言う人もいるんだろうけど、文化の受容ってそうじゃないような気がするのよね。ヨーロッパやアメリカでこんな値段設定をしたら、みんな怒り出すでしょうし、絶対チケットは売れません。

わたしは、地元優先主義なので、こんな音楽会に高いお金を出すより、近所の音楽会にたくさん行く方が性に合います。1万円のチケットを買うなら2000円か3000円のチケットを買って3、4回音楽会に行く方がいいです。だってその方がたくさん音楽聴けるし、音楽会の感動って有名な演奏団体や有名な指揮者がくれるとは限らないことを知ってるんだもの。かえって、期待しなかった音楽会で深く感動する経験をたくさんしてきたし、そのときの嬉しさと言ったら。有名なところは、リスクは少ないけど、期待しすぎてハードルが高くなっちゃうんですね。凄いいい演奏をしても、予想通り、とか。ああ、でも3、4回音楽会を我慢すれば、1回聴きに行けるのか。そんなに悪くはないのかな(と日和ってるわたし)。

来日オーケストラ公演の値段の高騰を防ぐ方法は、多分、一番いいのは、日本に、ベルリンやウィーンに匹敵するオーケストラを作ることです。そんなオーケストラが、今と同じように日本のオーケストラの標準的な(ちょびっとは高くしてもいいと思うけど)値段で演奏会をすることです。それに、指揮者によって値段を変えないこと。そんな当たり前のことです。そうすれば、外から来るオーケストラの音楽会の値段がいかに常軌を逸してるか分かるでしょう。

まあでも、わたしも音楽ファンですから、1点豪華主義というか、これだけは大好きで外せないって気持ちは分かるんです。それに、良い音楽会を聴きたいのはわたしも同じ気持ちですからね。
というわけで、わたしが、上に挙げた7つのオーケストラ公演でオススメするとすれば、アバドさんとルツェルンですね♪彼らの神がかった演奏はわたしの音楽体験の中でも最も幸福なもののひとつですから。

by zerbinetta | 2013-06-21 23:45 | 随想

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