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また圧巻 新国立バレエ ビントレー「ファスター」「カルミナ・ブラーナ」   

2014年4月26日 @新国立劇場

「ファスター」

マシュー・ハインドソン(音楽)
デヴィッド・ビントレー(振付)

新国立劇場バレエ団
ポール・マーフィー/東京フィルハーモニー交響楽団


「カルミナ・ブラーナ」

カール・オルフ(音楽)
デヴィッド・ビントレー(振付)

米沢唯(フォルトゥナ)
奥村康祐、福田圭吾、福岡雄大(神学生)
小野絢子(恋する乙女)、本島美和(ローストスワン)、他

安井陽子、高橋淳、萩原潤(独唱)
ポール・マーフィー/新国立劇場合唱団、東京フィルハーモニー交響楽団


というわけで、昨日に引き続き観てきちゃいました。やっぱり「カルミナ・ブラーナ」です。「ファスター」は、昨日はロンドンで観たときと少し印象が違うなって思ったけど、今日は新国のに慣れたのでより楽しめました。そう、これはただひたすらステージから照射されるエネルギーを浴びるんですね。でもやっぱり音楽は苦手なんですけど。。。

で「カルミナ・ブラーナ」。昨日の湯川さんのフォルトゥナが圧巻だったので唯さんはどうだろう?という不安と期待。全くタイプが違うように見えるし。唯さんはほんわかした感じで、関係ないけど髪の毛の嵩がなさそうなところに細かいニッチェのフェチズムを勝手に感じてる(わたしも髪の毛細くて量少ないから)ので、強靱なオーラを放つ運命の女神はどうかと思ってたんです。神々しくかっこよく冷淡で人を寄せ付けない運命ですから。
ところがですよ。嬉しい誤算。唯さんはセンパイの運命に縛られることなく彼女の女神を見せてくれました。そしてわたしの大誤解は、唯さんが思いっきりテクニシャンだったという事実を忘れていたこと。ほんわかした雰囲気に惑わされて(失礼な)。キレキレの踊りは超かっこいい。あのきっちりと印刷されたような言葉の踊りは、寸分の狂いもなく精密な踊りでしか表現できない。唯さんも湯川さんも凄すぎ。でもその踊りは湯川さんのとは全然違って、人肌というか、湯川さんのが不可侵な冷たい氷の神だとすると、唯さんはもっと人間的。だから、お終いの方で人間界に降りてきたフォルトゥナが神学生3を惑わすところはぞくりときた。唯さんって蠱惑的な悪女をやらしたら天下一品ですね。あの視線にはドキドキ。あれはオトコを手玉にとるタイプだよ(舞台上では)。神学生3がパンツ一丁で踊るのもムフフ。でもフォルトゥナがそのパンツに手をかけて、わたしの心臓がドクンドクンを最高潮になったときすっと離れてしまうのが不満。あそこはパンツを下ろさないと!(すいません。スケベ根性丸出しです)それにしても唯さんと湯川さん、おふたりが全く違う運命の女神を作りだしてどちらもが圧倒的なのはバレエ団にとって宝ですね。はじめから冷酷な湯川さんの運命の方が運命らしいけど、一瞬その気にさせて最後に冷酷に裏切る唯さんの運命、怖すぎ。(敢えてわたしがどちらが良かったかと問われたら、現時点では完璧に構築された湯川さんかな。唯さんにはまだ伸びしろがある。ま、比較することが愚行なんですけどね。どちらも心が震えたから)

神学生をはじめ他のキャストもおおむね今日の方がわたしには良かったです(神学生3とローストスワンはとんとんかな。でも本島さん好きだし〜〜♡)。恋する乙女の絢子さんは、こういう役だとちょっと引っ込んじゃう感じですね。もったいない。遠慮なく主役を食うくらいの火花を散らして欲しい。

ああ、それにしても素晴らしいバレエだわ。昨日も言ったけど今日もさらなる確信を持って言う。これは新国立劇場バレエ団のシグニチュア・プロダクションになる作品のひとつ。今日違うキャストで観て、違った解釈の踊りを観て、ますますそう思った。バーミンガム・ロイヤル・バレエのために最初振り付けられたとはいえ、ビントレーさんは新国立バレエの人でもあるんだし、堂々と胸を張ってうちが一番って言ってもいいと思うのよ。コンスタントな再演を希望します。

音楽は昨日より今日の方が良かった。独唱も良かったし(わたしが癖のある歌い方に慣れてきたばかりではあるまい)。カルミナ・ブラーナ、しばらく頭から離れなさそう。踊りたいっ!

by zerbinetta | 2014-04-26 00:35 | バレエ

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